妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
数人の女の子が、物珍し気に、
琴音のそばに近寄ってきた。

「お姉さん、景山先生の恋人ぉ?」
女子中学生は、コイバナに
何でも結びつける。

「違います。
今日からこの塾の事務・
受付の仕事をします。」

もう一人の女の子が、得意げに
「そうなんだぁ・・
教えてあげようか・・
景山先生ってさ、
ものすごおく頭、いいんだよぉ」

負けじと、別の女の子が
声を張り上げた。

「そうそう、それにすっごく
きれいな彼女が、時々来ているよね。
私、見ちゃったんだから」

「お姉さんさ、好みの男のタイプって、どんな奴?」

女の子は、コイバナをエサに
キャイキャイ騒いでいる。

「おい、こらっ、早く席につけっ」
景山先生が、ぬっと姿を現した。

取りあえず、何とか体裁を整えて
白ワイシャツ、ジーンズ姿になっている。

女の子たちは、一斉に声をそろえた。
「はーーーぁい」

「プリントを出せ・・
定期考査の試験対策のやつ」

6人ほどの生徒は、すぐに静かになった。
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