妄想腐女子の恋愛事情 倉橋琴音と影山海里
1000円の弁当
「これから、塾のある日は、
1000円出すから、
で、俺の晩飯の弁当、準備できるかな
15分で、外に飯食いにはいけないし・・
買いに行く時間ないし」
少し言い訳っぽく付け足した。
弁当は一人作るも、
二人作るも、それほどの手間ではない。
材料も無駄にならないのも、
ありがたい。
「わかりました。用意しますよ」
琴音は少し笑って、
自分の弁当箱を、景山先生のほうに押し出すように置いた。
「助かる・・」
景山先生は、交換条件の
1000円札を、同じように
押し出した。
取引の成立。
琴音はカップラーメンをすすり、
景山先生は、かわいらしい
琴音の弁当を食べていた。
「明日は、ご飯をもっと多く
しますね」
「うん」
景山先生は、小学生のように
答えた。