妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里

BL本ぶちまけ事件

<BL本ぶちまけ事件>

「君がいてくれて助かる。
確定申告の書類整理も、
そろそろしなくては・・」

景山は生徒のプリントを、
パソコンで作りながら、
面倒くさげにつぶやいた。

確定申告か・・・
その時期が終わる頃には、
この塾ともお別れになる。

「明日から、領収書の整理をします」

そう言いながら、
琴音は、足元に置いてある
紙袋に、視線をやった。

今日はとにかく、早く帰りたい。

今日、出かける直前に、
通販で数冊のBL本が届いたのだ。

そのまま、紙袋に入れて、
持ってきてしまった。

本屋のレジに持って行くのを、
ためらうような表紙の本は、
通販で買う事にしている。

それを早く読みたい!

「今日はこれで失礼します」

琴音が立ち上がり、
自分のバックと本の入った紙袋を持ち上げた。

その時だった。
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