妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
ドサッ・・・

紙袋の底が抜けて、BL本が床にぶちまけられた。

さっき、濡れたモップで
床を拭いたときに、
紙袋の底も、濡れたせいだろう。

表紙がエロい、男同士の絡み合う、刺激的な言葉が、ちりばめられた表紙。

小説もあるが、漫画もある。

もちろん18禁のやつだ・・・
当然モロシーンのオンパレード
だが・・

「あ・・・・」
どちらともなく声が出た。

「あのっ、あのあの、・・
すいませんっ」

琴音が青くなって、
慌てて本を拾い始めた。

まずい、やばい、困るぅ・・

すっと長い腕が、横から伸びて
琴音が回収する前に、
景山先生が、2冊ほど先に
拾い上げてしまった。

「ふーーーーーん」

景山先生は、興味深そうに、
すぐに18禁漫画本を、
パラパラめくった。

「あのっ、返してくださいっ」

琴音は今度、赤くなって叫んだ。
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