妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
「君が、仕事中に一生懸命読んでいた本とは・・
この類(たぐい)のものだったのか」

ああああ・・・ばれていたのか

男子中学生が、母親にエロ本を
見つけられた時は、
こんな反応なのだろう。

琴音は景山先生の手から、
ひったくるように
本をつかんだが・・

景山先生は、がっちり本を掴んで離さない。

それに、興味深げに、
口角をあげて、目を細めて
琴音に質問した。

「ふーーーん、君は俗にいう、
腐女子という、ボーイズラブ
愛好家なのか?」

「そうです!」
腐女子で何が悪い!!

隠れキリシタンのように、
秘めて信仰を熱くしていたが
ばれちまったら、
30女は居直るのだ。

景山先生と琴音は、BL本を掴み合う状態で向き合った。

「なぜ、男同士の恋愛に、
興味を持つ?
どこが萌えポイントなのか」

景山先生は少し首をかしげて、
琴音を見つめた。

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