妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
<私はあなたの、ライバルでは
ございません>宣言だ。

「ふーーーん」
その女王様は上から目線で、
琴音を見ると、

「海里ちゃん、高額物件だから、
狙っている女が多いのを
知っているでしょ?」

琴音はそのまま、その言葉を繰り返した。

「高額物件・・?」

女王様はあきれたように
「高学歴、高身長、高収入、
おまけにイケメンでしょ」

「あの、学習塾の収入は・・
赤字ですけど」

琴音は、出納簿(すいとうぼ)の数字を、思い出して言った。

女王様は、人差し指を立てて、
横に振りながら

「あのね、彼には大手の不動産
会社を、経営している父親がいて、
彼自身も、かなりの数の
ビルオーナーなの。
しかも、都心の一等地にあるのよ。」

「はぁ・・・」

琴音は、景山がこの塾を、
有償ボランティアと言っていた事を、思い出した。

そうか、裕福で、不労所得で
食べていける、
お金には困らない人なのだ・・・

琴音は、納得をした。
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