妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
「それに、作家さんって
聞きました」

「そうね、大きな賞も取ったし、
でも今は書けなくて、スランプで苦しんでいるから」

女王様は眉をひそめ、
<そこは心配>と言った風に、
答えた。

「そーなんですかぁ」
そんな事、全然知らなかった。

「お酒飲みすぎて、一時期は体を壊したしね」

確かに生活は、昼夜逆転している。

ふと、琴音は気が付いた。

美形女王様は・・・
男なのだ。

それに、景山海里の事を、好きなのだろう。
現実BLのお人だ。

キャハハハハァーー

階段下で、大声をあげて、生徒が騒いでいる。

「あの、失礼します。
生徒さんが来たので、準備をしなくては」

琴音は、小さく頭を下げると、
BL本を胸に抱いたまま、
身を翻した。

淡い期待をしない。

ここに来るのも、もうあと
わずかな日数なのだから。

景山海里との接点は・・・
無くなる。
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