妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
「トキは、わざと超能力スランプを作り出しました。

その改善のために、香山教授に、
何らかの気分転換が、必要だと
申し出たのです。

その気分転換の場所として、
トキが選んだのが・・
遊園地なのです」

ポンポン

後ろから肩を叩かれ、景山は振り向いた。

「香山教授っ!」

トキ、いや、トキにコスプレした倉橋琴音が、
ニコッと笑って立っていた。

「あ・・倉橋・・君?」

「違いますよぉ!今日は私、
トキですからね」

琴音は、髪を明るめの茶色に
染めて、クルクルに巻いている。

この日のために、美容院でかなり切ったのだ。

グレーのブレザーに、
臙脂色のネクタイをゆるめに
締めて、着崩している。

下は細身のジーンズだ。
化粧は、まつ毛を長くするだけのマスカラのみ。

胸も、わざと小さく見せるタイプのブラをつけている。
白い靴下にローファーの靴。

黒い小ぶりのリュックを、
手に下げている。
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