妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里

「ほうっ・・なるほど。
香山教授は、貴重な実験動物の
スランプ脱出のためなら、

何でもやるという気持ちで、
付き合うわけか」

景山は、腕組みをしてうなずいた。

「だから、香山教授役の
景山先生は、自然体で反応をしてくれればいいです」

琴音は、はっきり主張した。

「ここでは、トキが主導権を握りますから。
香山教授は、しかたなく付き合うというか、
振り回されているという感じが、いいかな」

琴音は、楽しそうに笑って、
遊園地のチケットを、景山に差し出した。

「あの・・金を」

「大丈夫です。
先生の1000円弁当代金で、
十分まかなえますから。

それに、今日は、
私がお誘いしているのですから、ご心配なく」

琴音の瞳は、キラキラしている。
< 55 / 67 >

この作品をシェア

pagetop