妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
「観覧車はどうですか?
ゆっくり動くし。
高い所は、ダメですか?」

琴音は、影山を気遣うように
聞いた。

「それなら問題ない」
影山も、ショックから立ち直ったようだ。
声がいつもの、面倒くさい感じになっている。

「では、行きますか?」
琴音は、立ち上がった。

腕を組みたいなと思ったが、
香山教授は拒否するだう・・・

トキも、自分が実験動物であることを、わきまえている。

観覧車で告白するのが、
いいかもしれない。
二人だけで、邪魔は入らない。

トキならば、
どんなふうに自分の想いを、
香山教授に告白するのか・・

それに対して、香山教授は
どんな反応をするのか。

ものすごく期待してしまう。

琴音の脳内妄想は、
ギンギンに盛り上がっている。

観覧車は人が閑散として、
すぐに乗ることができた。

小さなボックス席に、先に景山が乗り込んだ。
琴音が先に乗るように、促したのだ。
琴音は、景山の隣に座った。
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