妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
まず景山に、心の準備をさせなくてはならない。

これはリアルではなく、ファンタジーなのだ。

設定説明をしておかなければ
いけない。
ヘンに戸惑われたら、つまらなくなる。

「それではですね・・
この場面を説明します」
琴音が口を開いた。

隣に座ったのは、
景山と、視線を合わせたくなかったから。
自分の妄想を、披露するなんて、
やっぱり、恥ずかしいではないか!!!

「これから、トキは香山教授に、
自分の恋心を告白します・・」

「では、俺はどう、リアクションすればいいかな」
景山は、演出家に質問する、
俳優のように聞いた。

その質問に、琴音は少し考えて
「トキの想いは、
成就しない・・・
この時点ではですね。」

「香山教授は、ここで一回、
拒否をするのか。」

琴音はうなずいた。
「はい、それでいいです。
トキを実験動物として、彼は見ているので。

それに彼には、エレナという、
事故死した恋人を、いまだに愛しています。」

「それでも、この先、
教授もトキの想いを受け入れる
BL場面があるのだな?」
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