妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
「どうぞ、降りてください」
係員のおっちゃんの声が聞こえた。
「大丈夫ですか?」

床に座り込んでいる琴音を見て、
声をかけた。

「はいっ!大丈夫です」
琴音は、景山を見る余裕もなく、慌てて観覧車を降りた。

脳内妄想シナリオとは違う・・
というより、
現実はより
刺激的な展開になってしまった!

「君の展開より・・」
降りた景山は、何事もなかったかのように、口を開いた。

琴音は
心臓がバクバクしていて、
ほぼほぼ、パニック状態だ。

あんな濃厚なキスなんて・・・

琴音は、真っ赤になった。
「ああああの、今日はこれで、
失礼っします。さよならっ」

脱兎のごとく、猛烈ダッシュした。
景山海里が、どんな顔をしているのか、
何を言わんとするのか・・・
琴音の脚本とは、違う展開になったのは、なぜか

そんな事を、確認する余裕はなかった。

走って、走って、
息が苦しくて・・・・
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