妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里

BLプレイの結末

琴音は、引っ越し屋の兄ちゃんに、聞かれないように、
小さな声で、こそっと言った。

「先をやったら・・ですね、
妊娠もありじゃないですか」

景山は、なるほどというように
「それなら結婚するので、
いいんじゃないか。
君は、おもしろいし」

おもしろい・・ってさぁ・・
こんないい加減なプロポーズってあるか?

「他の荷物はどうしますか?」
引っ越し屋の兄ちゃんの問いに、

「全部、同じ所でかまわない」
景山が、琴音より先に答えてくれた。

作業着姿の兄ちゃんたちが、
どんどん段ボールを運んでいく。

「飯でも食いにいくか。
何、食いたい?」
いつもの投げやりな感じで、
景山が誘った。

「そうですねぇ、ラーメンか、
野菜たっぷりのタンメンとか、
どうですか?」

次々と運ばれていく段ボールを見ながら、琴音は答えた。

「駅前の店が、結構うまかったな」

景山が歩きだそうとすると、
琴音はサンダルをひっかけて
すかさず、その腕を組んだ。
< 66 / 67 >

この作品をシェア

pagetop