イケメン高校教師なんて嫌いだったのに・・・。
「わかりました。」
 素直についていくことにした。

 帰ろうと思えば、帰れたんだろう。
 でも、嬉しかったのだと思う。
 あんな言い方しても、まだ、気にかけてくれる先生に、頼りたかったのだと思う。
 
「すごーい。」
 水族館の中に入ってすぐに、大きい水槽が目に入った。そこには、たくさんのいろんな種類の魚たちが泳いでいた。

 水槽という限られた空間の中で、自由におよいでいる。魚たちは、自分が見せものになってることに気づかない。
 
 それでも、気持ちよさそうに泳いでいるように見えた。

 私も何も考えなければいいのかもしれない。
『今をただ生きる。』
 そうすれば、窮屈に思うことはないんだろうか?
 でも、人間だから、考えてしまう。
 
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