魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
ブラン学級で、この人は絶対的な権限を持っている。

みんな少しでも気に入られたくて、この人のご機嫌とりに必死なはずだ。

でも、あたしはやってやる。

あたしの演技力なら、この人だって騙せるはずよ。



「姉は……言いにくいのですが、とても気性が荒い人です」

「何?」

「あたしは生まれてから15年間……ずっと姉にいじめられてきました」



涙を流しながらそう言えば、ルイス様は眉間にシワを寄せた。



「……お前、それは本当なのか?」



声のトーンがあからさまに下がったのがわかる。



「俺に嘘をつくことは、死罪に値すると思え」



凄みに一瞬怯みそうになったけど、あたしは演技を続けた。



「もちろん、嘘ではありませんっ……」



涙を溢れさせて、ルイス様を見つめる。
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