魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
あまりに思い通りに会話が進んで、内心笑いを堪えるのに必死だった。



「白神様のことは……いいように利用してやるんだ、って……」



あたしの言葉に、ルイス様の眉間のシワが濃くなった。



「さっきの態度も含め……辻褄は合うか」



あたしの演技力って、やっぱり女優並みだわ。

そう、確信した。



「それに、お姉ちゃんは黒闇神様のファンらしくて……」



最後は……この人の逆鱗に触れる切り札を出した。


黒闇神夜明。


この学園で唯一……ルイス様より優っている人。

校内の誰もが知っている。……鈴蘭以外はきっと。

あいつは男の話題には無頓着だし、最近まで魔族のことも知らなかった奴だから、黒闇神様のことなんて知ってるはずがない。

< 106 / 324 >

この作品をシェア

pagetop