魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「姉と一緒になってしまったら……あなたが不幸になってしまう気がして……」



あたしは、あたしが幸せならそれでいい。

ていうか、あたしだけが幸せで、それ以外の女は全員不幸になればいい。

鈴蘭は特に……あいつだけは、不幸にさせなきゃ気が済まない。



「お伝えするか悩んだんですが……」



弱った表情をすれば、ルイス様はあたしを見てフッと笑った。



「……お前は優しい人間だな」



この人、あたしが求めている言葉ばかりくれるから、気分がいい。



「あたしなんて、全然です……」

「そんな目に遭わされた人間の幸せを願うなど、普通の人間にできることではない。……女神の生まれ変わりかもしれない」

「え?」



今、なんて言った……?



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