魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
わざとらしくならないように、ハッとした顔をした。



「あっ……ごめんなさい、気安く名前で呼んで……」

「別にいい。お前ならな」



この人……案外簡単に落とせそう。

ふふっ……今に見てなさい鈴蘭。

あんたは所詮……あたしの引き立て役でしかないんだって、改めて思い知らせてやるわ。

3回、ノックの音が室内に響いた。



「お待たせしました……」



時間を潰してきたのか、ちょうどいいタイミングで戻ってきた鈴蘭。



「おかえり、お姉ちゃん」

「……」



ルイス様は、冷たい目でお姉ちゃんを見ていた。

これで、あたしの計画は完璧。

あとは……鈴蘭をルイス様と、ふたりきりにしなければいい。

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