魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
約を解消されるんじゃないかと覚悟していた。

その度に、どうかもう一度ルイスさんが私を好きになってくれますようにと願っていたけど……私の願いは届かなかった。

……ううん、そんなふうに思ったらダメだよね。

結局、神様頼みで、何も行動できなかった私が悪いんだ。

こうなってしまったのは……全部私のせい。



「異論があるなら言ってみろ」



冷たい眼差しで、私を見下ろすルイスさん。



「……ありません」



涙をぐっと堪えてから、毅然とした態度で答えた。

ここで泣けば、星蘭に怒られてしまう。


星蘭を怒らせたら、お母さんにも……。

想像しただけで恐ろしくて、再び涙を堪えた。

私を見て、眉をひそめたルイスさん。



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