魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「そうだろうな。お前はもとより、俺に不満があったそうだからな」



不満……?

星蘭が、何か言ったのかも知れない……。

だけど、違う。

ルイスさんに、不満なんてなかった。それだけは、どうしても伝えたい。



「お前がこんな女だと知っていたら……端から婚約など申し込まなかった」



私はあなたのことが、本当に、心の底から……。



「俺たちの婚約破棄は成立だ」



……大好き、だった……。


まぎれもなく初恋だった。

婚約破棄については、もちろん受け入れるけれど、誤解だけは解きたい。

短い間だけど、私によくしてくれたルイスさんには、感謝の気持ちでいっぱいだったから。

いつかそれだけは、伝えたかった。

一度でも私を好きになってくれて、ありがとうございましたって……。

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