魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「本題に入る」
ルイスさんの言葉に、しん……と静まり返る教室内。
「たった今、俺と星蘭は正式に婚約者になったことを宣言する」
やっぱり、星蘭と……。
……仕方ない。
そういう、運命だったんだ。
教室には歓喜の声と、拍手が溢れた。
星蘭は立ち上がって、ルイスさんの元へ歩み寄る。
ルイスさんは跪いて、星蘭の手を握った。
あの日を思い出して、胸が張り裂けそうになった。
「星蘭ちゃん、幸せそう……!」
「姉の鈴蘭さんから嫌がらせされてたみたいだし……級長みたいな守ってくれる人ができてよかったな」
「おめでとう星蘭ちゃん!」
子供の頃、一番好きな小説はシンデレラだった。