魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
私は鳥さんのペースに合わせて、ノワール学級の方向へと急ぐ。

飛んではいるけど……辛そう。羽もまだ濡れていて重たそうだし、痛みをこらえているようにも見えた。

さっきみたいに、他のブランの生徒に見つかったら危険かもしれないし……。



「私が案内しますね」



私はポケットから、ハンカチを出した。



『恩にきます……!!』



鳥さんをそっとハンカチに包んだ。

体が冷えているだろうから、少しでも暖かくなればいいなと思ったのと、他の生徒から隠すため。

あまり揺らさないようにして、ノワール学級の方向へと急いだ。



「もうすぐですからね」

『あなたは、優しい方ですね』

「え?」



鳥さんのほうを見ると、ハンカチの隙間からつぶらな瞳と目が合う。



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