魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
『汚いわね……触らないで!!︎』
ラフは助けを求めてその女に近づいたのか、叩かれて床に倒れた。
『ピエッ……!』
ブランの人間は信用するなと、何度言えばわかるんだこいつは……。
『星蘭、どうした?』
男が入ってきた途端、女の態度が豹変する。
『ルイス様……! 鳥がまぎれ込んできたんですっ……!』
まるで怯えるか弱い女を演じるように、そいつが男に抱きついた。
さっきまでのラフに対する態度からは想像もできない豹変ぶりだ。
俺はこういう女が一番嫌いだ。
入ってきたのはこの女の恋人なのか……こいつも女を見る目がない。
よく見ると、この男には見覚えがあった。