魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
確か……白神ルイスか。ブランの級長で、前の首相の孫。いつも俺に無駄に突っかかってくる、態度だけでかい男だ。

こいつ如きどうとでもできるが、ラフは違う。使い魔には戦闘能力に長けているものが多いが、こいつは身体的能力はないに等しいため、白神に見つかれば悲惨な目にあわされるかもしれない。

ラフもこいつが白神だと気づいたのか、急いで教室から逃げだした。

幸い、白神に見られなかったらしい。

迎えを出すべきか……。

悩んだ時、ラフが裏庭のような場所に着地した。

あたりを見渡して、ノワールへの帰路を探している。

そっちだ……ああ違う、そっちは寮の方向だ……くそ、いい加減道を覚えろ。

俺たちは視界と聴覚は共有できるが、直接話しかけることができないため焦れったい。



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