魔王子さま、ご執心！① ～捨てられ少女は、極上の男に溺愛される～

実際、使い魔の能力は種族、見た目に比例することが多い。獰猛な使い魔を操るものもいれば、絶滅危惧種と言われている精霊やドラゴンのような高尚な使い魔を操るものもいるからだ。

人間と同じで、使い魔も見た目で能力を判断されることがほとんどだった。

だが、ラフは能力だけで言えば、最優秀クラスと言っていい。

視界を共有する能力。俺は今のようにラフを通して、ラフの視界を見ることができるだけではなく、他人の記憶を写し取ることもでき、それを俺に共有することも可能だった。

自由に飛び回り、時には狭い場所に身を隠すこともできるラフはスパイとしても適任だ。

生まれた時から次期当主として育てられ、周りに敵だらけだった俺は……誰が味方なのか、誰が真実を言っているのかわからず人間不信に陥った。