魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
そんな時にラフを見つけて、使い魔として契約を交わし、それからはラフの能力で、嘘を暴いて生きてきた。

どんな嘘でも暴くことができるラフの能力は、俺にとって最も魅力的だった。

おかげでこの世は嘘だらけだということもわかったが、繊細な心なんてどこかに置いてきた今となってはどうだっていい。

真実さえ知ることができれば。



『大した主人じゃなさそうだろ、このまま処分してやるか?』



処分されるのはお前らのほうだと、鼻で笑った。



『その羽、もぎ取ってやるよ!』



ラフのいる場所へ移動するため、目をつむったまま立ち上がる。

テレポートは力の消耗が激しいため滅多に使わないが、ラフに死なれるのは困る。

大げさかも知れないが、ブランの人間は何をするかわからない。



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