魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
『せ、先生……!!︎』



テレポートのために神経を研ぎ澄ませた時、女の声が聞こえた。

ん……?



『おい、逃げるぞ……!』



一斉に、ラフをいじめていた生徒たちが去っていく。

俺は一旦、能力の発動を中断した。



『大丈夫っ……!?』



焦った表情の女が、こっちへ近づいてくる。

さっきの声は、こいつの声……演技か?

まさか……ラフを助けようとしたのか?


この学園に、そんな人間がいるはずない。

ましてやブラン。一方的にノワールを目の敵にしているやつらが、一目でノワールの使い魔だとわかるラフを助けるなんてありえない。



『ひどい怪我……』



ありえない、はずだ……。

女は、心配そうにこっちを見ている。

< 136 / 324 >

この作品をシェア

pagetop