魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
ラフと視界を共有しているため、自分が見つめられている感覚に陥った。

まっすぐに見つめてくる女に、静かに息を飲む。

なんだ、この女は……。

ひと言で言えば、ただ美しい。見た目だけではなく、こいつの目は透き通っているように見えた。

瞳は嘘をつかないから、嘘をつけばつくほど濁っていく。それが、この女の瞳には一点の曇りもない。



『今手当を……』

『だ、大丈夫です! ご主人に治してもらうので!』

『え? しゃ、しゃべったっ……!?』



異様なほど驚いている女。



『あなたの心に話しかけてるだけです!』

『えっ……!?』

『使い魔をご存じない?』

『は、はい……!』



なんだと? そんな奴がいるのか?

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