魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
こいつは人でも鳥でも女の前ではかっこうをつけるクセがあるから、あの女の前で強がっていたに違いない。



「お前は何度迷えば気が済む」



文句を言いながら、回復させるために神経を集中させる。

まあ……今日だけは感謝してやらないこともない。



「ラフ、また怪我をして……ブランに行っていたんですか?」

『迷ったんですよ竜牙さん! でも、おかげでべっぴんさんに会えました……!』

「はは……それはよかったですね」



回復が終わり、完全に怪我が完治したラフ。



『さすがご主人! 全回復です! ありがとうございます!』

「おい、さっきのあいつは誰だ? 名前は?」

『ん? べっぴんさんのことですか!?』



視界共有だけでは、名前まではわからなかった。



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