魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
クラス分けを見ようと掲示板に近づいた時、ちょうど星蘭も到着していた。

高い声で呼ばれて、体がこわばる。



「お姉ちゃん、ほんとに徒歩で来たの?」



私のほうに来て、星蘭は口角を上げた。



「う、うん。平坦な道だから、思ったより楽だったよ」

「バス通学の交通費お父さんにお願いしてみればいいのに。まあ、無視されるでしょうけど」



周りにいる人たちには聞こえないくらい小さな声で、囁いた星蘭。



「あはは……」



星蘭、今日はご機嫌みたい。こんなふうに話しかけてくれるのは久しぶりだから、少しだけ嬉しい。

入学式だから、わくわくしているのかもしれない。

あ、そんなことを思ってる場合じゃない。早くクラスを確認しなきゃ。



「あたしとお姉ちゃん、同じクラスだって。ふふっ、高校でもあたしの引き立て役、頑張ってね」



え……?

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