魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
俺の祖父は元首相で、俺は幼い頃からメディアにさらされてきた。

家柄目当ての女が腐るほど寄ってきたため、女という生き物は信用できない。

星蘭にも、俺に寄ってきた女と同じものを感じる。

ただ……鈴蘭にはそういう欲を、少しも感じなかった。

どうしてかはわからないが……あいつの醸し出す空気は心地よく、澄んでいるように思う。

それにしても……姉妹でここまで違うものか?

二卵性とはいえ、双子なはず。

ふたりの醸し出す空気は、何もかもが違う。まさに正反対と言ってもいい。



「ふたりは仲がいいのか?」



妹に同行を頼むくらいだ……鈴蘭は星蘭のことを信頼しているんだろう。

俺は女姉妹の距離感はわからないが……。

興味本位で聞いた言葉に、なぜか視線を下げた星蘭。



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