魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「もちろん、嘘ではありませんっ……あたしは姉よりも、美しくないですから……ブサイクで醜い、恥ずかしい妹だと蔑まれてきたんです」
「……」
確かに……動機としては頷ける。
星蘭は器量は悪くないが、鈴蘭に並べば、どんな女も劣ってしまう。
鈴蘭のほうが見目が整っているのは、誰が見ても一目瞭然。
だが……やはりこいつの言葉は、信じるに足らない。
「白神様のことも……姉から聞いております」
俺のことを?
「……あいつは俺のことをなんと?」
「……」
言うのをためらうような素振りを見せた星蘭。
「正直に言えばいい。気を使う必要はない」
そう促せば、ゆっくりと口を割った。
「白神様のことは……いいように利用してやる、って……」