魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
鈴蘭が……。

あいつは……そんな女だったのか……?

言われてみれば今日も星蘭を呼んで、俺とふたりきりを避けているようだった上に、あまり自分のことを話そうともしない。

あいつは俺との婚約を喜んでいるようには見えなかった。



「さっきの態度も含め……辻褄は合うか」



俺は利用するには打って付けの人間だろう。だから、渋々この婚約を受け入れたのか……?



「それに、お姉ちゃんは黒闇神様のファンらしくて……」



星蘭のその言葉は、俺を逆上させるには十分だった。

鈴蘭が、あいつのファン……?



「……魔族のことは知らなかったくせに、あいつのことは知っていたのか……はっ」



とんでもない……。

俺はあいつのダシにでも使われようとしていたのか……?


黒闇神夜明。

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