魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
シンデレラは見つかった
お風呂を済ませて、浴室を出る。
あの鳥さん、無事だったかな……。
いつかまた、元気な姿で会えたらいいな……。
「あ、お姉ちゃん、まだ起きてたんだ」
洗い物をするためにリビングに行くと、星蘭が上機嫌でソファに寝転んでいた。
星蘭がこんなふうに声をかけてくれるのは珍しい。
「ふふっ、リシェス学園の生徒たちもバカよね」
スマートフォンを触りながら、ほくそ笑んでいる星蘭。
「みんなあたしの言うこと、簡単に信じるんだもん」
噂のことを言っているのかな……?
まるで憐れむように私を見た星蘭に、思わず視線を逸らした。
「まあ、あんた悪役ヅラだし……仕方ないか」
悪役ヅラ……そっか……。