魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
顔を上げると、彼の後ろから昨日の鳥さんが現れた。
「鳥さん……!!︎」
元気に羽ばたいている鳥さんの姿を見て、心の底から安堵した。
「よかった……! 無事だったんですね……!」
傷跡も残っていない……昨日のあの傷が、ここまで綺麗に治るなんて……。まるで、魔法みたい。
『はい! ご主人に治してもらってもうすっかり元気です!』
てことは……この人が鳥さんのご主人さん?
『ああ、紹介が遅れました! この方はわたしのご主人で、くろやが……ピエッ!!︎』
私が不思議に思っていることを察したのか、紹介しようとしてくれた鳥さん。
けれどその鳥さんの言葉を、主人さんが遮った。