魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
『し、失礼しました……! わたしのご主人で、ノワール学級の警備員をしている方です!』



警備員……学校関係者の方なんだ……。

どうして制服を着ていないんだろうと思っていたから、納得した。



「昨日は……ラフが世話になった」



ご主人さん……と呼ぶのも変だから、心の中でフードさんと呼ぶことにした。

フードさんは低い声で、私にそう言ってくる。



『ラフはわたしの愛称でございます! そういえばわたしも名乗り忘れてましたね! ラファエルと申します! 気軽にラフと呼んでください!』



元気で明るい鳥さんに、ぴったりの可愛い愛称。



「お前に礼がしたい。何か欲しいものはあるか?」



お礼……?



「い、いえ。お礼なんて必要ありません」

「そういうわけにはいかない」
< 184 / 324 >

この作品をシェア

pagetop