魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「あの、フードさんは……」

『フードさん?』



不思議そうに頭をかしげているラフさん同様、フードさんも私を見たままじっと動かない。



「あっ……失礼しました……」

「いや、呼び方はなんでもかまわない」



フードさんって呼んでも、いいのかな……?

安心して、胸をなでおろす。



「おふたりは、お昼ご飯はもう食べましたか?」

「いや、あとで食べる」

『はい!』

「俺たちのことは気にするな」



フードさんの声……最初は怒っているから低いのかもしれないと思ったけど、もともと声が低いのかもしれない。

よく聞くと、声色は優しくて、喋り方も落ち着いている。

重低音の……すごく心地いい声。



「お前は何学年だ?」



質問が飛んできて、食べていた卵焼きを飲み込んだ。
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