魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
こんなふうに誰かと、休み時間を過ごしてもらえて楽しかった。

一度ルイスさんと食べたこともあったけど……あの時は星蘭もいたから、緊張していて……。

だけど今日は、フードさんとラフさんのおかげで穏やかな時間を過ごすことができた。

寂しさを感じなかったのは、久しぶりだ。



「お前……」



フードさんが何か言いかけた時、ちょうど予鈴が鳴った。



「授業が始まるので、失礼します……!」



裏庭は教室から離れているから、急いで戻らなきゃ。

立ち上がって、ふたりに頭を下げる。



「お話できて楽しかったです……! ありがとうございました……!」



そう言い残して、走りだした。

また……会えるといいな……。
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