魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
『はぁ……怖がられても知りませんからね!』
そんなに怪しいかと、少し不安になった。
……第一印象は大事だ。怖がらせたくはない。
まあ、顔を見られるなと言われている以上、多少不審な格好になるのは仕方がないだろう……。
できるならば、変装などはせずに会いたかった。
だが立場上、気軽にブランに行くこともできない。
もし俺と会っていることがバレたら……あいつが危険にさらされる可能性だってある。
それだけは絶対に避けたい。
『いいですかご主人! ぜーったいに黒闇神夜明だとバレてはいけませんよ!』
「何度も言わなくていい」
『あのべっぴんさんはともかく、他の生徒にバレたら大騒ぎになりますから!!』
「わかったから黙ってついてこい」
時間になり、寮を出る。