魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
警戒心のなさに心配になったが、名前を知ることができた。

……鈴蘭、か。いい名前だ。

美しく可憐なこいつにふさわしい。

それに……声も、透き通るような響きをしている。



『べっぴんさん!!︎』



テレポートで一瞬気を失っていたラフが、俺の後ろから姿を出した。

途端、女……鈴蘭の目が輝いた。



「鳥さん……!!︎」



目の前に飛んで行ったラフを見て、嬉しそうにしている。



「よかった……! 無事だったんですね……!」



どうやら、ずいぶん心配をかけたらしい。

通りすがりの鳥1羽のことを、そこまで心配するなんて……。

鈴蘭が、不思議そうに俺を見ていることに気づいた。



『ああ、紹介が遅れました! この方はわたしのご主人で、くろやが……ピエッ!!︎』



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