魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
明日の約束
授業中、ふと鳥の鳴き声がして窓の外を見る。
わっ……青い鳥だ……!
初めて見る綺麗な色の鳥に、感動した。
それと同時に、昨日のお昼休みのことを思い出す。
楽しかったな……フードさんとラフさんとお話をしながら、お昼ご飯を食べて……。
楽しい思い出に浸っていたいけど、今は授業中だ。
集中しなきゃ……。
入学したばかりだから、勉強は気を抜けない。
聖リシェス学園では高い学力を求められるから、毎日の予習復習も欠かさずしていた。
「問4を……双葉、答えなさい」
名前を呼ばれて、立ち上がる。
「はい」
これは星蘭との決まり事で、双葉と呼ばれたら私が答えることになっていた。
星蘭は勉強が嫌いだから。
「いや違う、双葉星蘭のほうだ」
え……。
言い直した先生に、冷や汗が滲んだ。
「えっと……」
星蘭も、困ったように声を出している。
今までの授業で、突然指名されることはなかったから、油断してた。