魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
『ご主人! わたしもお腹が空いたので、先にノワールに帰ります!』



え?



「おい、また迷子になるだろ、勝手に……」

『道は覚えましたので! もうお腹が限界です! では!!︎』



ラフさんは頭を下げてから、勢いよく飛び立っていった。

行っちゃった……。



「ラフさんは元気ですね」

「……無駄なくらいだがな」

「とても明るくて、見ているだけで笑顔になります」

「あれはうるさいだけだ」



呆れているフードさんに、くすっと笑ってしまう。

きっと心配なんだろうな……。

フードさんはクールで声も低いから、一見冷たそうに思えるけど……其の実とても優しい人だと思う。



「お前、それだけで足りるのか?」



お弁当を見て、そう言ったフードさん。

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