魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
えっ……。
顔に出てしまっていたことが恥ずかしくて、「そ、そうですか?」と誤魔化す。
はしゃぎすぎてしまっていたことに気づいて、頬が熱くなった。
そっと、フードさんの隣に座る。
「お弁当、急いで食べます!」
「ゆっくりでいい。気にするな」
いつもフードさんとゆっくり話したいから、できるだけ早くお弁当を食べていた。
フードさんは気にするなって言ってくれるけど、ただ私がフードさんと話す時間を優先したいだけ。
「あの、今日はラフさんは……?」
「あいつは寝ている」
ラフさんは、基本的にいない日のほうが多い。
お昼寝が好きなのか、昨日も寝ていたそう。
眠っているラフさんを想像すると、可愛くて笑みが溢れた。