魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「いつも同じ弁当だが、食に関心がないのか?」



じっとお弁当を見ながら、そう聞いてきたフードさん。

できるだけお弁当を隠して食べるようにしていたから、見られていたことに気づかなかった。



「食べるのは大好きです……! あ、朝は、あんまり時間がなくて……」



食べていい食材が決まっているなんて言ったら、不自然がられるに決まってる。

フードさんには……家のことは、もちろん話していない。

もう誰にも話さないと決めているし、最近はお母さんも星蘭も機嫌がよく、暴力を振るわれることも少ないから穏やかに過ごせている。



「自分で作っているのか?」



じっと興味深そうにお弁当を見ているフードさん。

最近……見えないけど、なんとなくフードさんの表情が読めるようになった。



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