魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
笑顔でそういえば、フードさんはなぜか一瞬ためらったあと、口を開いて食べてくれた。



「……うまい」



本当かな……? き、気を使わせていないかな……?



「だが……お前は、もう少し警戒心を持ったほうがいい」

「え?」

「どこの誰かもわからない俺のような男に……」



簡単にお弁当のおかずを与えるなってこと……?

それより、気になったのは「俺のような男」という部分。



「フードさんはいい人です」



まるで、自分が怪しい人みたいな言い方だった。

まだ出会って1週間足らずだけど……私はフードさんのことを信頼しているのに。

また明日の約束を守るために、わざわざ毎日ノワールからブランまで来てくれているんだ。

そんな優しいフードさんが、悪い人なわけがない。



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