魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「なんの根拠がある?」



それなのに、フードさんは不満そうに声のトーンを下げた。

私の発言の何が気に障ってしまったのだろうと、不安になる。

返答に困った私を見て、フードさんは焦ったように口を開いた。



「……違う、そうじゃない。心配になっただけだ、きつい言い方をした」



怒ったわけじゃなく、心配をしてくれていたんだとわかって安心する。

よかった……フードさんに、嫌われてしまったかと思った……。



「俺はお前に危害を加えたりしない。約束する。信じてくれ」



真剣な声色で、そう言ってくれたフードさん。

さっきの言葉は確信に変わって、笑顔を返した。



「やっぱり……フードさんはいい人です」

「……」



フードさんと出会ってから、毎日に楽しみができた。

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