魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
フードさんと会いたいからって……こんなふうに、つなぎとめるみたいなやり方……。
フードさんも暇ではないだろうし、ノワールからわざわざブランまで来るのも時間がかかると思う。
「そうか……いつでもいい」
いつだって……優しくそう言ってくれる。
やっぱり……フードさんの優しさに甘えちゃいけない。
お礼……早く考えなきゃ。
そう思ったとき、ふとある案が浮かび上がった。
「フードさん……や、やっぱり、決まりました」
「言ってみろ」
これなら……。
「私と……お友達に、なってくれませんか……?」
お友達になれたら……また、会う約束をしてもらえるかな……?
「……それは礼になるのか?」
フードさんの声が、戸惑っているのがわかった。