魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「ああ、まずは友人からでかまわない」
え……いい、の……?
フードさんが……私のお友達に……。
嬉しくて嬉しくて、言葉も出ない。
生まれて初めて友達ができた。しかもその相手が……優しいフードさんなんて……。
「ありがとう、ございます」
胸がいっぱいで、口から出た声は震えていた。
泣いたら困らせてしまうとわかるから、絶対に涙をこぼさないように下唇を噛みしめる。
違った……涙を堪える時は、口を開けるといいんだった。
不自然がられないように、小さく口を開けてぐっと込み上げてくるものをこらえる。
……よし。涙がピークを越えたのを確認してから、顔を上げる。
フードさんに、満面の笑顔を向けた。
「嬉しいです……とても……!」