魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
想像するだけで、相手の男を即刻火炙りの刑にしてしまいたくなった。



「フードさんはいい人です」



完全に安心しきっている鈴蘭の表情に、複雑な感情になった。



「なんの根拠がある?」



俺に信頼してくれているのは嬉しい。だが……お前はこんなにも可愛いんだ。人一倍、警戒心を持ってくれ……。

鈴蘭が……悲しそうな面持ちに変わった。



「……違う、そうじゃない。心配になっただけだ、きつい言い方をした」



自分の言い方が悪かったと気づき、後悔する。



「俺はお前に危害を加えたりしない。約束する。信じてくれ」



この世の誰を裏切っても、お前だけは裏切らない。

だから……そんな顔をしないでくれ。



「やっぱり、フードさんはいい人です」

「……」



< 239 / 324 >

この作品をシェア

pagetop