魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
俺の婚約者に手を出そうとするバカなんて、この国にいるはずがない。

黒闇神という名前を忌々しく感じていたが、まさか感謝する日が来るとは。



「ほ、本気……あれだけ婚約しないって言い張ってた夜明が……頭でも打った?」

「夜明さん……人格が変わったんですか?」



失礼なことを抜かしているふたりは置いておいて、俺は今とても気分がいい。

合法的に鈴蘭といる手段が見つかったからな。



「準備が整うまで、あのふたりには言うなよ」

「ですが、母上様と父上様には……」

「鬱陶しいことになるのが目に見えてる。絶対に言うな、わかったな?」



あいつらの耳に入れば、小躍りしながら寮に突撃されるのが目に見えている。



「時期が来れば、俺が自分から話す」



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